日本のオーベルジュ|三水園(山口県周南市)

岩国空港から車で約1時間30分の山間にある三丘(みつお)温泉。昭和30年代に源泉が発見され、いまは近隣に数件の温泉旅館がある。三水園はその一つで現在のご主人はその三代目。代によって旅館の個性も変わってきているという。「僕は温泉だけでなく、お料理も楽しんで欲しかったのです」と語るご主人。大阪で修行をしたのち旅館を継ぎ、試行錯誤をしながらいまのカタチにかえていったという。風情が感じられる庭や建物は華美ではなくしっかりと手入れがされていて、硫黄の香りがするたっぷりの温泉も気持ちがいい。夜のお料理は部屋での食事もあるが、1階の間でのコース料理が特におすすめ。前菜8品、メイン2品、デザート2品は近所の農家の野菜から旬の食材で構成されている。料理もさることながら、器はその盛り付けも素晴らしい。ちなみに弟さんは東京でデザイン事務所をやられているというからクリエイティブな血が流れているからなのかもしれない。お酒も山口の地酒が料理をさらにひきたてる。温泉旅館の食事というよりはまさにオーベルジュだ。お酒はそれぞれの好みがあるから持ち込んでもいいらしい。(要持込料)次回は好きなナチュールワインを持ってこよう。